六等星の夜

 

眠れない夜はそっと手を繋いでほしい

会えないことに慣れていたのに

会えてしまうとしばらく胸が痛んで苦しくなるからまた いないことになれるまで、声を忘れかけるまで そっと時間が流れるのを待つ

会いたかった気持ちのぶんだけ、会えたあとの寂しさは比例する

 

懐かしい匂いと 少し日焼けした肌と、会うたび変わる髪型が彼らしくて 相変わらずのやわらかい髪質と優しい声

見ないように残さないようにするのに、さよならのあとからフィルムがスタート 色褪せないように何度もリピート

 

最近のこと お互いに聞かないけど、この変わらない温度がなによりの答えだ

 

ふいに触れた手と距離が変わらなくて温度を感じた 終わらない長い夜更け