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あの日と同じようにたばこに火をつける
あのときもこんな時間だった
違うのは、空が晴れていたことと ふたりだったこと
一緒にベランダで肩にもたれながら一服しながら明日はなにしようか話した あれもしたい、これもしたい だから早起きだよ 早く寝ないと でも、久しぶりに会えたから話したいこと聞きたいことたくさんあるね、どうする?夜はまだ長いね 新しい家どう?なかなかいいところでしょ?こうして過ごすのはじめてだね、はじめてなんて久しぶりでドキドキするね。なんて、甘い会話。
同じ場所なのに、なんでこんな寂しいんだろう なんで最近こんなにも思い出してしまうんだろう 未練なんて全くなかったのに。全然平気で過ごしてたのに
涙だってここ最近流してない
悲しいことなんかなにひとつないのに
ただ誰かにそばにいてほしいだけなのか
それとも、まだ
ううん 違うんだ 思い出って時間が経つとどんどん綺麗なものになってしまうから
遠くのものほど綺麗に見えてしまうだけなんだよ。 最後の日あんなに辛かったの、忘れてしまったの?
良いところばっかりが見えてしまうの
それがすごい苦しかった。特技なんだけど すごく生きずらいの。
良い曲はいつ聞いても良いし 今日も風は優しい 大好きなものはいつまでたっても大好きだ 昔から嫌いになることが苦手だ
嫌いって感情が持てなくていつも苦しむ それはわたしも、あの人もそうだった
わたしはいつになったら大人になれるのだろう
あの人はもう大人になれたのかな。
もう明日がきてしまう またひとつ遠くなる